STAFF REPORTスタッフレポート
SALT Field StaffTide Minnow LANCE
TIDE MINNOW
北の熱いアングラーよりフィールドレポートをお届けします。
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専用モデルという強み
2021年2月、北海道の店頭に新しいタイドミノーが並ぶことになる。
タイドミノーシリーズ初の、“海サクラマス&海アメマス専用モデル”
Tide Minnow LANCE(タイドミノーランス)だ。
これで道内のアングラーは、
海鱒ゲームで2種類のタイドミノーを選択肢として使用できることになるけど、
従来モデルとの違いを簡単に説明しよう。
タイドミノーランス
従来のタイドミノースリムは優等生という
表現があっているように僕は思う。
誰が操作しても『飛距離・アクション・操作性』という
3項目全てにおいて常に70~80点を平均して記録できるように、
苦手な項目を一つも作らないよう
各パーツが理詰めで設計された秀才型ミノーという個性をいつも感じていた。
この状況の変化に左右されず
誰もがいつも同じように操作できる汎用性の高さが、
厳寒期の日本海から穏やかな夏の太平洋まで続く北海道の海鱒ゲームにはまり、
その釣果の多さから僕も長年にわたって
120㎜~175㎜までをシーンに合わせて選択してきた。
長年使い続けるほどにルアーに求める欲求が増えてしまうのはどんな釣りでも同じだけど、
タイドミノースリムにも、その優等生さゆえに
“あと少し…” という欲求を二つもっていた。
タイドミノースリム175㎜
一つはリップ。
着水と同時に瞬発力のあるアクションを生みだすために長く立ち気味に装着されているリップは、
巻き心地の良さとアクションの振り幅をアングラーの手元に確実に伝えてくれるのだけど、
強い離岸流や長い波足の中では引き抵抗の強さを生みだすことがあり、
岸際ピックアップ寸前でのリトリーブスピードが落ちてしまい、
シーバスなどに比べると捕食の上手くない海鱒では波打ち際でのUターンを許すこともあった。
もう一つは飛距離。
これ以上を望むのは贅沢とは分かっていても、
体感気温が-10℃を下回る厳寒期の強烈な向かい風や吹雪の中では、
ミノーが常にカッ飛んでくれる事で集中力を保てる場合も多く、
ミノーのほうがシルエット的には有利と分かりながらも遠投性だけを選択しメタルジグを結ぶ場面もあった。
贅沢を言えば切りがないけど、
タイドミノースリムに何らかのチューンアップモデルがあればと思っていた
道内アングラーは僕だけではないはずだ。
昨年の早くに北海道の海鱒専用モデルの登場を聞いた際には、
従来のタイドミノースリムをブラッシュアップさせたような “あと少し…”
を埋めるような正常進化モデルが登場するものだと考えていた。
担当者に『レーシングモデルです』といわれたプロトモデルを結んだときには、
その正常進化とレーシングモデルの意味をすぐに体現できることができた。
タイドミノーランス120㎜&140㎜
正常進化という部分では飛距離。
従来のタイドミノーシリーズには僕が常用する140フライヤーというモデルがあるけど、
それよりも3.5gほど軽いにもかかわらず
キャスト時のウェイトバランスに優れるランス120㎜の飛距離は同等か超えているのではないかと感じることが多々ある。
シルエットの小さなミノーが同等の飛距離を出せるということは風の強い状況下ではかなりのアドバンテージとなる。
飛距離に関しては詳細なことは語らなくてもおそらくファーストキャストで体感できると思う。
驚かされたのはアクション。
着水後、リールを巻いた瞬間に手元に伝わったのは拍子抜けするほど素軽い巻き抵抗。
そして波中をこちらに向かってくるミノーを目で捉えると
シャープなボディがヌルヌルと水を縫うようにアクションしているのが見えた。
例えが難しいが、ミノーはリトリーブすることでリップが水を受け、
その抵抗でボディを左右に振るものだが、
ランスのアクションは斜め前に向かってくるようなイメージとでも表現したほうがよいだろうか。
ミノーなのにジグミノー的な表現しているといったほうが道内のアングラーにはわかりやすいかもしれない。
ピックアップ寸前、サラシの中でのヒットが続いた
海アメマスでテストした際には、波打ち際でのUターンを許さず、
最後の最後までミノーを追わせ波打ち際や波足の中でのヒットが多かったのも、
従来のモデルにはない素軽い巻き抵抗で波中を縫うようにアクションするという特異な性能から持たされたものだろう。
『レーシングモデル』と表現されるような尖った部分を持たされた意味がよくわかる。
ロッドワークでアクションを入れた際にも2種類のタイドミノーには明確な差があるけど、
皆さんが結ぶ前に僕個人の印象を伝えすぎるのは強い先入観を持たせてしまうので控えたい。
それはきっとすぐにわかると思うので。
福士知之