STAFF REPORTスタッフレポート

SALT Field Staff武富 啓晃

Practice makes perfect

東京都在住。東京湾内の干潟と河川の釣りに精通し、関東全域のシーバスを釣り歩くサラリーマンアングラー。 徹底した現場主義によって得られた情報やルアーの使い方等を発信していきます。

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2024.10.20

動画裏話~応用テクニック・バルク95F編~

1か月ほど前に公開された、バルク95Fとシーク128Sスライトの実釣動画たち。

 

 

 

 

動画で用いているルアー達は、両方とも基本に忠実なタダ巻きで十二分に働いてくれる優秀なルアー達ですが、一工夫加えた使い方をすることで、戦闘力が飛躍的に高まるルアー達でもあります。

 

 

今回から数回分の私のレポートで、公開中の動画中で用いているそれらのテクニックについて解説してみたいと思います。

 

初回はバルク95Fについて!

 

 

 

 

 

動画で紹介している「テロテロ巻き(デッドスロー)」については、過去のフィールドレポートで紹介しているためそちらに譲るとして・・・

 

今回ご紹介するのはラインテンションを「抜く」テクニックです!

 

 

 

 

・「抜く」って?

 

簡潔に言えば「ルアーに対する適正ラインを超えてかかりすぎたテンションを調節し、ルアーの動きをベストな状態に保つ」テクニックです。

 

流れに対してクロス~ダウンクロスにルアーが入っていった時に、ルアーに対して適正なテンションを超えたテンションがかかることがありますよね?もしくは、もうちょい速いスピードで引きたいんだけどこれ以上速く引くとルアーが暴れすぎてしまう・・なんて状況もありますよね?

 

そのかかりすぎた圧をロッドアクションで調整して、ベストアクションを維持するためのテクニックです。

 

 

 

・適正なテンションって?

 

各社から発売されているシャローランナー(リップレスミノー)には、それぞれ決まった適正テンションがあります。

 

 

低速でもよく泳ぐが中~高速では泳ぎすぎたり動きが破綻したりするシャローランナー・・・低速では泳がないが中~高速では良い泳ぎをするシャローランナー・・・

 

 

各シャローランナーに対して適正なリトリーブスピード≒適正なリトリーブテンションを把握し、それに合わせた使い方をしていくのがシャローランナーの使い方のキモの一つです。

 

 

小難しく語ってますが、話は単純。

ルアーが見える範囲で泳がせてみて、釣れそうな動きしてるな・・と感じるスピード。そのスピードが出ているときに、手元のリールで感じているテンションが「適正なテンション」になります。

 

 

 

・具体的な操作方法

 

かかりすぎたテンションを、リトリーブスピードはそのままにどうやって抜いていくのか?

 

具体的にやっていることは「ティップのシェイク」です。

 

 

 

※これくらいのロッドポジションでやるのが一番やりやすいです。

 

 

 

 

リトリーブスピードを上げていくと、ティップにグーっとルアーの重みがかかってきますよね?

 

その重みが適正テンションを超えて、かかりすぎてきたな・・そろそろルアーが暴れるかも・・・という状態となってきたら、その重みをティップで振り払うイメージで、軽くシェイクしてあげるんです。

 

 

 

乱暴にやりすぎるのもNG。

入力の強さのイメージとしては、ティップにトンボが止まってしまったが邪険には扱いたくないからそっとゆすってどいてもらう時に使う強さ・・・的な。。伝わりますでしょうか???

 

 

 

トゥイッチでもありません。

ティップをシェイクする目的はルアーにアクションを入力することではないので、そこまで強くは入力しません。

 

 

また、シェイクのリズムも大事。ベストなのは「使っているルアーのアクションピッチ」に近いリズムです。

 

 

 

 

 

 

・どんな時に使うのか?

 

ここまで読んでくださった方の中には、このテクニックの出しどころが分からない・・という方もいらっしゃるかと思います。

 

テンションがかかりすぎているのであれば、リトリーブスピードを緩めて調整すれば良いじゃないか、と。

 

 

 

もちろんそちらの方が正攻法であり、私もそのような調節法を取ることは多いです。

 

ただ、オーバーテンションでも巻き切りたい!といった状況が多いのもまた事実。

 

 

 

 

例えば・・・

 

・そのルアーの適正リトリーブスピードを超えたスピードで見せたいが、オーバーアクションはさせたくない。

 

・思い描いたリトリーブコースを外れさせないために、巻きを緩めることは避けたい。立ち位置は制約があって変えられない。

 

・干満差が大きいエリアの大潮周りの下げで、ダウンクロスに入ったルアーがどうしても暴れてしまう。

 

 

といった状況です。

 

 

 

 

・参考シーン

 

今回ご紹介した「抜く」テクニックをフルに活用しているのが、バルク95Fでスーパーランカーをキャッチしたこちらの動画。

 

 

 

上記の状況が多く出現した当日の状況にバルク95Fを上手く当てるために、この技術は必要不可欠でした。

 

特に、スーパーランカーがヒットした2分16秒あたりのシーン。

 

 

 

狙ったピンポイントに対して、理想のヒットコースとレンジを維持するためにはこの立ち位置から狙わざるをえませんでしたが、狙ったピンポイントで流れを受けるとどうしてもテンションがかかりすぎ、オーバーアクション気味になってしまう・・・

 

ルアーを見せることができても、それでは見切られてしまいヒットに結びつかない・・・

 

 

 

 

そこで、テンションをティップアクションで捌きつつ狙う「抜く」テクニックで攻めるとヒットした、という一部始終が完全に動画に収められています。

 

このシーンの手元とティップをよく見れば、ヒットの直前~瞬間までこのテクニックが発動されていることがはっきりと分かるので、是非確認いただきたいです。

 

 

 

 

 

この動画の中では、他にも各所で本テクニックを繰り出しています。出しどころはどこなのか?バルク95Fに対してはどのようなリズムで使っているのか?

 

 

 

 

 

 

ぜひ動画で確認いただけたらと思います。

 

 

 

 

今回の裏技解説はここまで。次はシーク128Sスライトの裏技について語りたいと思います!

 

 

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